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EBITDAとは?企業を客観的に評価する上で重要な指標

2024年1月31日

EBITDAは企業の収益性を客観的に把握する上で有益な指標です。EBITDAが何を意味し、なぜこれが収益性の評価において重要なのか説明していきます。

目次

EBITDAの意味

 EBITDAとは、Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization(イービットダ)の略で、企業の収益性を客観的に評価するための指標として利用されます。具体的にはM&Aや投資先の選定などで使用されています。

 EBITDAは、営業利益や経常利益とは異なり、特別損益や減価償却費を含めた利益を算出することで、企業の業績をより包括的に把握することができます。

EBITDAが企業価値を評価するのに有益な理由

企業価値の評価において、EBITDAは不可欠な指標です。EBITDAは様々な理由で企業を評価する際に有益な情報を提供します。以下でその理由を説明します。

1. 営業活動の実態を反映

EBITDAは、企業の営業活動によって生み出された実質的な利益を示す指標です。利息や税金、減価償却、償却を除外することで、企業のコアなビジネスの収益性を客観的に評価できます。これにより投資家や経営者は、企業が営業活動においてどれだけ価値を創造しているかを把握します。

2. 業種や企業の比較が容易

EBITDAは標準的な経理処理に基づいているため、異なる業種や企業間での比較が簡単になります。通常の利益指標では、会計方針の違いが比較を難しくすることがありますが、EBITDAはこれらの要素を取り除くことで、より公平な比較が可能です。これは投資家や企業の経営陣にとって、市場動向や競合他社とのポジショニングを理解する上で非常に有益です。

3. 資本構造に左右されない評価

EBITDAは企業の資本構造に左右されず、純粋な営業活動による利益に焦点を当てている指標です。これにより企業価値の評価を資本構造の変動に左右されることなく、安定して行えます。そのため投資家は企業の営業活動がどれだけ収益性が高いかを判断する上で、この指標を重要視します。

EBITDAの計算方法

 EBITDAは、損益計算書から簡単に算出することができます。以下では計算式と具体例を用いて計算方法について説明します。

EBITDAの計算式

 EBITDAの計算式は4つ存在します。複数ある理由は、企業や業界によって算出方法が変動するからです。以下の4つの式がEBITDAの計算式です。

  1. EBITDA=営業利益+減価償却費
  2. EBITDA=経常利益+支払利息+減価償却費
  3. EBITDA=税引前当期純利益+特別損益+支払利息+減価償却費
  4. EBITDA=当期純利益+法人税等+特別損益+支払利息+減価償却費

 最も代表的な計算式は①のEBITDA=営業利益+減価償却費の式です。

 営業利益は、企業が営業活動から生じる純利益で、売上高から売上原価と販売費、一般管理費を差し引いた利益を指します。

 減価償却費は、企業が設備や機械などの固定資産を取得した際に、その価値を一定期間に分割して経費として計上するものです。設備の価値は年月が経つにつれて少しずつ減少していくため、その減少分を負担するために減価償却費を算出します。

 減価償却費は現金支出の発生しない費用のため、この費用を差し引くことで企業が営業活動だけでどれだけ現金を生み出したかを算出することができます。

 また他の計算式に登場する勘定科目も説明します。

 特別損益は、通常の業務活動とは異なる事象によって生じる損益であり、一時的な出来事や非日常的なイベントによって発生します。例えば、災害や再編成に伴うリストラなどが特別損益とされます。

 支払利息は、企業が借り入れた資金に対して発生する費用であり、借金の利息として銀行や債権者に支払われる金額を意味します。

計算の具体例

 ここでは具体例を用いてEBITDAの計算とこの指標によってどのような評価をすることができるのかを説明します。

 ある企業のn-1年の営業利益が5,000万円、減価償却費が500万円で、n年の営業利益が4,000万円で減価償却費が2,000万円とします。この場合、以下のようにEBITDAを計算することができます。

 n-1年のEBITDA = 5,000万円 + 500万円 = 5,500万円

 n年のEBITDA = 4,000万円 + 2,000万円 = 6,000万円

 この計算結果から、この企業のn-1年のEBITDAは5,500万円、n年のEBITDAは6,000万円です。

 このように大規模な設備投資などを行ったことで減価償却費が大幅に増加し、営業利益が減益になったとしても、実際は現金を稼ぐ力が去年よりも500万円上がっていることが分かります。このように一時的な変動に対して正当に企業価値を判断することができます。

EBITDAを用いた関連指標

 EBITDAだけで企業価値を評価するわけではありません。この指標と他の数値を組み合わせることでより企業を細かく分析することができます。

EV/EBITDA比率

 EV/EBITDA比率とは、時価総額とネット有利子負債を足すことで算出することができる企業価値(EV)をEBITDAで割った指標です。収益に対してどれだけ会社が評価されているかを示しています。つまり倍率が高いほど将来性や組織力など収益以外の点を評価されている可能性が高くなります。また投資家が他の企業と比較する際に用います。

EBITDAマージン

 EV/EBITDA比率とは、EBITDAを売上で割った指標です。つまり利益率を意味しており、企業の収益性を評価する際に使用します。高ければ高いほど効率的な会社運営をしていることを示しており、事業の持続可能性を維持することができます。

EBITDA有利子負債倍率

 EBITDA有利子負債倍率とは、EBITDAを有利子負債で割った指標です。この指標は財務の健全性を評価するときに使います。倍率が高いほど財務リスクが少ないことを示しており、投資家や銀行の信用を高めることにつながります。

EBITDAの活用場面

 EBITDAは、企業の収益性評価やM&Aにおいて幅広く活用されます。その活用場面を以下に示します。

企業の収益性評価におけるEBITDAの重要性

 減価償却費が大きい企業、特に製造業など設備投資が多い企業では、EBITDAを用いることで設備投資の規模の違いを排除した収益性の比較が可能となります。したがって異なる業種や投資規模の企業の収益性を公平に評価することができます。

 また、EBITDAを用いて収益性を評価する際には、EBITDAマージンやEBITDA有利子負債倍率などの関連指標と合わせて総合的に判断することが重要です。これにより、企業の収益性の良し悪しや資金調達の健全性を把握することができます。

M&AにおけるEBITDA

 M&A(合併・買収)においては、EBITDAが企業価値の評価や投資判断において重要な役割を果たします。特に、投資額を回収する期間を判断する指標として用いられるEV/EBITDA倍率は一般的な評価指標の一つです。

 EV/EBITDA倍率は、企業の時価総額(企業価値)をEBITDAで割った値であるため、投資額をEBITDAベースで何年で回収できるかを示しています。倍率が低いほど、投資効果が高く、割安な買収候補と評価されます。

 EBITDAを活用したM&Aにおいては、EBITDAの算出方法に留意する必要があります。加えて、企業の財務状況や将来の成長性、業界の競争状況なども総合的に評価することが重要です。また、EBITDAを用いた企業価値の算出方法には様々な手法が存在するため、適切な方法を選択し適用することも重要です。

 M&Aは複雑でリスクのあるプロセスですが、正確な情報収集と専門的なサポートを得ることで、中小企業でも成功に導くことができます。M&A仲介会社は、このプロセスを円滑に進めるために貴重なパートナーとなります。ご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。

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